引越しの料金が高い理由

      2016/04/10

引越しシーズンですね。

私は、以前引越し屋さんで20年ほど働いていました。

大手と呼ばれるところにいたこともありますし、町の小さな引越し屋さんで働いていたこともあります。

そんな経験を活かして、引越し屋さんの内部事情やあまり公開されない情報を少しずつお伝えしていきたいと思います。

引越しの料金が高い理由

引越しの料金はどのように決められるかご存知でしょうか?

トラックの大きさや台数や移動距離、作業員の人数、エアコンやピアノ等のオプション費用等で大体決まるのですが、他に大事な要素があります。

それは時期です。

基本的に引越しの繁忙期は3月と4月です。

就職、進学、人事異動に伴う転勤などがある為です。

この時期は引越し屋さんの暇な閑散期と比較すると2倍は費用が掛かります。

さらに3月の後半~4月の前半位になると閑散期の3倍や4倍になる事もあります。2016年でいうと3月20日から4月10日頃ですね。

もう、ぼったくりに近い状態になるのですが、どうしてもその時期に引越しをしなくてはならない方たちがいる為、そんな料金でも成立してしまうのです。

以前、私が現場担当から営業担当に変わって間もない頃、3月後半に引越しを予定されているお宅へ見積もりに伺ったことがありました。

閑散期だったら8万円くらいの見積もりになるのですが、3月に引越しという事でやはり倍の16万円で見積額を提示したところ、お客様はビックリされ、他社より安いとの事で、即決をいただいた事がありました。

帰社後、その旨を上司に報告すると、何でそんな値段で取ってきたんだと怒鳴られました。

倍の料金はちょっと取り過ぎだったのかな?と思ったのですが、

その週はだまってても仕事が入ってくるんだから、一般客は4倍~5倍の料金で取ってくるのが普通だというのです。

ちなみに一般客というのは、電話やインターネットで見積り依頼をされたお客様の事で、通常、引越し屋さんは法人客というお客様を抱えており、年間を通して企業と専属契約を交わしている為、その企業の社員が転勤やなんかの絡みで引越しをする事になると引越しの依頼をしてくるのですが、基本的にはその依頼を断る事ができないのです。

African businessman cowering with hands up

しかも、その依頼件数は尋常ではなく、総務やら人事やらの担当者は電話でかなり上から言ってきます。

担当:できないんだったら、他社でやってもらうからいいよ。(その代わり来期は頼まないからという含みも込めて)

私:そうですか。それでは大変申し訳ないのですがその様にお願い致します。(どうせ無理って言われるよという含みも込めて)

その後、また電話が掛かってきます。

担当:お願いだから、やってもらえませんか?

私:他社でやってもらうって言ってませんでしたっけ?

担当:さらに上乗せするから頼むよ。

この時期ばかりは、こんなやりとりで、担当者も転勤者の引越しを遅延なくさせないと、自分のミスになってしまうので必死です。

その為、一般のお客様からの依頼は異常な料金になってしまうのです。

どうしても、この時期に引越しをしなければならないけど、少しでも安い方がいいという方は、時間指定なしのフリー便等を利用して依頼すると割安(とは言っても閑散期よりはやはり高い)になる為、一見すると良いかもしれませんが、メリットばかりではありません。

もちろんデメリットもあります。

むしろデメリットの方が多いかもしれません。

それは、また次回にお伝えしたいと思います。

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