引越し繁忙期のフリー便はメリットよりデメリットの方が大きい!?
2016/04/10
3月~4月の引越しは費用が異常に掛かるのですが、コストを抑えようとすると、引越し屋さんは時間指定なしの、フリー便というのをお勧めしてくることがあります。
このフリー便はどの様なものかといいますと、引越しはどうしてもこの日じゃなきゃダメ、でも時間は終日空いてるから引越し作業のスタートは何時でもいいですよ、その代わり少し安くしてねという方には最適なプランです。
このプランのメリットは安い時で、通常価格の3割引~5割引になる事です。
そして、時間も午後1時~3時くらいには来てくれます。
早いときは午前中に来ます。
ですので、移動距離が少なく、荷物もそんなに多くなければ、夜の7時くらいに作業が終わる事がほとんどです。
このプランの仕組みは、簡単です。
普通、引越しは午前9時くらいから開始されます。
何故かというと、午前7時や8時から開始した場合、引越しのトラックが通勤、通学の邪魔になったり、都市部の集合住宅(つまりマンションや団地ということですが)では、共有部(エレベーターや階段)をある程度占有しなくてはなりません。
つまり、迷惑な人たちになるわけです。
ですから、引越し屋さんはどの現場も大体午前9時くらいから始まるのですが、その午前9時くらいから始まった引越しは、荷物が少なかったり、移動距離が短かったりすると、早く終わるチームは午前中で終了という事もあります。
その早く終わったチームが2件目のフリー便宅に伺うのです。
その終わる時間を引越し屋さんの計画を組む人(配車担当といいます)はある程度見越しています。
その為、前日くらいにある程度見当をつけて、フリー便のお客様宅に明日はこれくらいの時間帯で伺いますと電話をします。
しかも、引越し屋さんは、一日に何件も引越しを抱えている為、フリー便で遅くなっている現場の応援に早く現場を終わらせたチームが来ますので、引越し屋さんの人数がどんどん増えていき、異常な早さで引越しが終わるという事があります。
ここで不安になる方もいらっしゃるかもしれません。
引越し屋さんの人数が増えると追加料金を取られるのではと。
安心してください。
引越し屋さんが勝手にやっている事なので料金は変わりません。
それではフリー便のデメリットはどうでしょうか?
それは、配車担当の予想に反して午前中からの現場が何らかのイレギュラーで予定通り終わらなかった場合、引越しの開始時刻がずれ込んできます。
たとえば、
①天気予報は晴れだったはずが、雨天だったり、
②エレベーターが故障して階段で荷物を運ぶ事になったり、
③他の引越し屋さんとバッティングしてしまい、その引越し屋さんの作業が終わるまで待たされたり(引越しってマンション等で他の業者とバッティングした場合、基本的に先着順です)すると作業時間が延びます。
③の場合で、たとえば新築で一斉入居だったりして、予め引越し屋さんに告げず、事前にお客様がバッティングすることを容易に予測でき、且つ引越し屋さんを待たせた場合、追加料金を請求されたり、待機中に引越し屋さんは他の現場へ応援に行ってしまう事がありますので、その様なケースの場合は予め、見積もりの際に申し出ましょう。
①+②+③=最悪ですが、以前こんな事が本当に一度だけあり、とても苦労しました。
お客様も非常にイライラされていましたが、誰が悪いとかそういうものではありませんので、
なんて日だ!!
という事になります。
この様な理由から、引越し開始が予定より遅くなる場合もありますが、こんな時は大体の場合、他の現場を早く終わらせたチームが来るので、特に問題ありません。
これでフリー便のお得感は分かっていただけたかと思います。
じゃあ、フリー便でお願いしようと思った方、少し待ってください。
3月~4月に引越しを予定されている方にはあまりおすすめできませんよ。
これは、あくまでも引越し屋さんが暇な時です。
タイトルにも入れましたが、引越し繁忙期のフリー便はメリットよりデメリットの方が大きい!?
という事が結構あるのです。
理由はいくつかあるのですが、最大の理由は、
予定の時刻たとえば午後3時の約束になっていた場合でも引越し屋さんが来ない事が多いです。
なんで?
と思われる方もいらっしゃるかと思います。
それは、3月、4月の繁忙期は引越しを午前8時やそれ以前から開始してしまうのです。
じゃあ、余計早く来るんじゃないの?
と思われるかもしれませんが、通勤、通学等、近隣住民の迷惑になると分かっていても早く開始する理由があります。
それは、暇な閑散期よりさらに多くの引越し件数をこなさなくてはならないからです。
午前8時から開始すると、移動距離が短かったり、荷物の量が少ない場合、順調に進めば、午前中に終わります。
と言うか、午前中に終わらせなくてはなりませんので、その様な予定(配車)になっています。
その後、フリー便のお宅に伺うのかと思いきや、別のお宅に訪問です。
このお宅は午前11時頃伺うと前日に電話連絡済みですが、時計はちょうどお昼の時刻を指しています。
そうです。
フリー便の前にもう1件あるのです。
そして、その引越しを終わらせてから、フリー便として伺うのです。
引越し屋さんは体力勝負ですから、途中で昼食をとったり、もちろん休憩もとります。(繁忙期は休憩なんかとらないよ、というブラックな引越し屋さんも結構多いですが)
その為、この引越しが終わらないと次には行けませんので、順調に進めば良いですが、なかなかそうはいかないことが多いです。
こうしてやっと2件目が終わってフリー便のお客様宅へ伺います。
時刻は午後5時です。
少し遅いですが、2時間くらいの遅れは全然良い方です。
私が以前勤めていた引越し屋さんでは、午後5時に伺う約束をしていたお客様宅へ深夜12時に伺いました。
このお客様は、関東から九州の引越しで、この日は荷物の積み込みしかなく、荷降ろしは翌々日だった為、一番、後回しにされてしまったのです。
お客様は怒りを通り越してあきれていました(夜逃げじゃないんだからと)が、通常2時間掛かる作業を30分で終わらせました。
通常、4人で伺って作業するところを、最終的には15人くらいいましたから。
夜中の12時から引越しなんてと思われる方もいらっしゃるかと思いますが、こんな事は本当に起こります。
私が引越し屋さんで働いていた頃は、毎年の様にありましたし、その時間帯に他の引越し屋さんも作業してましたから。
しかも繁忙期に3件なんていい方なんです。
次回は、引越し屋さんがお客様の大切な家財や家屋を壊してしまったらについてお伝えしようと思います。