引越し屋さんにご祝儀って渡した方がいいの?

      2016/04/10

私が以前勤めていた引っ越し屋さんは、お客様からご祝儀をいただくと、現場のリーダーが全員からそれを回収し、帰社時に社長へ渡していました。

その引越し屋さんは、町の小さな引越し屋さんで、初めて勤めた会社だったのですが、当時はそういうものなんだと特に気にもしませんでした。

その後、大手と呼ばれる引越し屋さんに転職し、ある日の引越し作業中、お客様からご祝儀をいただいたので、現場のリーダーにそのご祝儀を渡すと、

「どうしたの?」

「要らないの?」

と言われ、その時にはじめて、もらっていいものなんだと教わりました。

この時は、うれしさと、以前勤めていた会社への何とも言えない気持ちで、複雑な気持ちになったのを憶えています。

私は、年に何回か旅行をするのですが、ホテルに泊まることもありますが、旅館に泊まることも多いです。

そのたび、仲居さんに心づけを渡すことになるのですが、日本では、宿泊料金にサービス料が含まれているので、渡す必要は無いとお考えになる方が結構いらっしゃるようです。

それはそれで分かるのですが、宿泊中っていろいろトラブルがあったりしますので、何か迷惑を掛けてしまったり、お願いをしなくてはならないかもしれません。

そんな時に、申し訳ないのですが、と言ってチップを差し出すよりも、あらかじめ、お世話になりますと言って渡したほうがスマートな気がして渡すようにしています。

すると、仲居さんもどこかの割引券をくれたり、地元の人しか知らないようなお得情報をくれたりします。

実際私も、引越しの現場で、お客様にご祝儀をいただくことが多々ありましたが、その様なときはやはりうれしいです。

ただ、日本人だからなのか、お客様が少ないですが等と仰ってご祝儀を渡してくれる際に、いやいや結構です等、1度や2度は遠慮して、最終的にはいただくことになるのですが、過去に1度だけ、こんなやりとりをしたお陰で、ご祝儀の額が変わってしまったことがありました。

そのときは、私と新人アルバイトで伺い2名での現場でしたが、お客様が荷造りを事前に行っていなかった為、かなり時間が掛かり、遅くなってしまっていました。

Town of evening

そんな中、お客様が例のごとく、

「これ食事代にして」

と現金1万円札をむき出しの状態で私の胸ポケットにねじ込んできたので、私は

「とんでもございません」

とお客様に返しました。

すると、お客様は、

「そうか、とんでもないか」

と仰り

「じゃあ、これね」

と千円札を私に渡し、もう1人の新人アルバイトの方へ行かれました。

そして、私のとき同様、

「これ食事代にして」

と1万円札を新人アルバイトに手渡すと、新人アルバイトは、

「ありがとうございます」

と元気にお礼を言ってそれを受け取りました。

そして、その新人アルバイトは私のところに来て、

「引越しってやりがいがありますね」

と言ってきたので、それは会社に渡すから回収するよと、言ってやろうかと思いましたが、それもかわいそうなので、帰社後、上司に、

「今日から来た新人アルバイトの子、体力もあるし、すごく頑張ってくれて、結構使えますよ」

と言った為か、後日、かなりキツイ現場に行かされ、

「引越しって厳しいですね」

と言い残し、去って行ったそうです。

それ以来私は、お客様からご祝儀をいただく際は、

「ありがとうございます。遠慮なく頂戴します」

と答えるようになりました。

やはり引越し屋さんも人の子、ご祝儀をいただくとやる気が変わってくるのは事実です。

本来、ご祝儀云々で、作業内容に変化がでれば、プロ失格なのでしょうが、こればかりは心理的に作用することだと思いますので、どうしようもありません。

また、渡す場合に気をつけなくてはならないのが、タイミングと渡す相手です。

まず、タイミングですが、前述した様に、ご祝儀をいただくとやる気が変わってきます。

その為、作業後に渡しても、費用対効果としては低いですが、作業前に渡すと、サービスが良くなることの方が多いです。

たとえば、不用品の処分を引越し屋さんに依頼する場合、見積り時にその処分料を含めた合計が引越し費用になります。

しかし、引越しは実際転居先に行くと、予定どおりにいかず、不用品が発生することも結構あります。

タンスが大きすぎて、コンセントの差込口をつぶしてしまう為、設置できなかったり、ソファが大きすぎてどこからも搬入できなかったり等、よくあることです。

その様な場合、追加料金を支払って引越し屋さんに処分を依頼するケースがありますが、ここで、事前にご祝儀を渡していた場合とそうでない場合で、変わってくることがあります。

事前にご祝儀を渡していた場合は、この様な場合、サービスで引き取りますよと言って、無料で引き取ることが結構あるのですが、事前にご祝儀を渡していなかった場合、そのようなことはほとんどありません。

例外として、現場のリーダーが領収証の金額を変更したり、会社に報告するのを面倒がってサービスでいいですよと言う場合もありますが、基本的には有料です。

また、電化製品のセッティング等も通常は有料ですが、ご祝儀を事前に渡しているとサービスで行うことも多いです。

2つめに、渡す相手の場合ですが、現場のリーダーにまとめて渡すお客様がいらっしゃいますが、それはNGです。

理由は、そのリーダーが他の作業員に分配せず、独り占めする可能性があるからです。

すると、もちろん事前にご祝儀を渡していた場合ですが、リーダー以外の作業員はご祝儀の存在を知らない為、テンションは変わりません。

また、長距離便の場合、積み込みに来た作業員が荷降ろしにも行くというケースはあまりありません。

ほとんどの場合、運転手だけが家財を積んだトラックで転居先に行き、現地の作業員と作業することが多いですので、独り占めされた場合、運転手にも行き渡らないことがあります。

すると、長距離便の場合はご祝儀を期待する運転手が多いので、荷物の積み方や運転が適当になるかもしれません。(長距離便の場合、普段にも増して荷物の積み方を考慮したり、丁寧な運転が求められます)

この様な理由から、ご祝儀は面倒でも、一人ひとりに渡すことが望ましいです。

また、金額については、多いほど喜ばれるかもしれませんが、1人に1,000円も渡せば十分だと思います。

現場の作業員は、最低それ位もらえるのではないかと期待しているからです。

ですから、2,000円だと多いなという認識で良いと思います。

ただ、1,000円だと少なすぎるかなと思われる方は、プラス飲み物を渡すと良いと思います。

作業中は、何度か休憩をとってコーヒーやお茶を飲むのですが、近くにコンビニや自動販売機が無いと、飲み物を買うことができません。

夏場等、暑いときは熱中症になることも多い引越しの現場ですので、飲み物の差し入れは非常に喜ばれると思います。

ですので、夏場で特にエレベーターの無い環境で階段作業になる場合は、1,000円のご祝儀より冷たい飲み物を多く渡したほうが、うれしいと思われるかもしれません。

まとめとして、ご祝儀を渡すなら、作業前に、一人ひとり手渡しが良いです。

また、金額は一人1,000円くらいで十分ですが、飲み物を渡すとさらに良いと思います。

次回は、引っ越しを安くする方法①についてお伝えしようと思います。

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